書けないFDD

Bar 酒好のPianoPlayer

→ 酒好のページもご覧下さい。

前のページへ   1つ上のページへ

(第1版 2003/4/14)


(一覧に戻る)

 開業早々に行きつけのバーのマスターから修理依頼。長らく使っているPianoPlayer(グランドピアノの自動演奏装置)のFDDの調子が悪いとの事。今までに記録した演奏の再生は出来るが、新規の演奏の記録が出来ないらしい。無論、ヘッドの掃除はしたとの事だったので、FDD内部のスイッチ(後述)が調子悪いのだろうと踏んで機材を持ち帰り。といっても、ピアノまで持って帰る事が出来るわけもなく、PianoPlayerの装置部分だけをはずして持って帰りました。

 蓋を開けるまでもなく表側は多少のタバコのヤニとほこり等の汚れ(バーだから仕方ないですね)、ねじを外して中を見ればこれまたあちこちにいろいろな汚れやxxxxのxx、あるいはカビがぼちぼち。。。まずは刷毛を持ってきてきれいに掃除し、問題のFDDを外して手持ちのノートパソコンのものなどと比較し、あわよくば交換、あるいは同等品の購入に走ろうかと思ったのですが、これが既に古い部類の装置に当たり、同等品の入手は松山ではまず不可能。

 まぁ、故障しているとは言ってもデータの読み出しは出来るからヘッドやモーターの問題ではなく、書き込みだけが出来ないのだからおそらくFDのタブや検出穴の状態を見るスイッチの不良だろうと読んで、外した装置の中の問題のスイッチを分解掃除することと相成りました。

 分解掃除といっても、写真を見てもらえばわかるとおりにスイッチ部分はごくごく微小なもの。ピンセット2本使っての組み立てなど、えらく肩の凝る作業でした。

 なお、最終的には修理できたのですが、この装置、電源部がピアノ本体のハンマー部分と一緒になっており取り外し不可という事で、どうやって動作確認をしようかとしばし悩んだのですが、結局は回路を解析して電源回路の部分にこの装置を駆動可能な電圧を加える事でしのぎました。

 ただし、ここまで書いたことは7年前の製品だから出来たこと、最近の製品だと(FDDのスイッチ部分なども含めて)同じようなことが出来るかどうかは、、、基板上の部品の集積度や、使われている部品が特殊な(専用の)物が多いこともあり、ちょっと疑問です。

 ちなみに、この装置を分解して、CPUに「Z180」が使われていることを発見。いやいや、珍しいものを拝ませていただきました (笑) 。

(一覧に戻る)


フロントパネル、電源スイッチ周り

フロントパネル全景

内部の実装状況。左側にFDD、右側に制御基板。
FDDドライブの上側には、おそらく吸音のためと
思われる(多数の切り込みの入った)ゴムが
貼ってあります。

フロントパネル側からFDDまで

制御ボード。このほかに、前面パネルの裏側にも
スイッチや液晶表示部の制御用LSIが載った
基板が付いています。

珍しいZilog Z180。現物を初めて見ました。

FDD上の吸音ゴムの上のカビ。
ゴキブリの糞に生えたようです。

FDD背面のケーブルコネクタ。最近の
ノートPCのものとほぼ同じなのですが、
いかんせん、実装位置が違う。。。

FDDユニットを開いたところ。右側、黒くて
丸い部分がモーターで、その右下、及び左下に
今回問題となった黒い小さなスイッチが左右に
1個ずつ付いています。

スイッチの取り付け(半田付け)部分、
大体こうやって信号名を書いてくれて
いるおかげで、およその機能の想像が
付きます。上側から順に
DisK Indication、 Ground、そして
WriteProtectIndication、ってな
ところでしょうか。

スイッチの実寸はこのくらい、単三電池と
並べてみました。白い部分がFDDの穴の部分を
検知する爪で、爪を押し戻すばねを
かねた小さな部品が収まっています。

スイッチ内の接点部分を1極だけ磨いた
ところ。もちろん、右側が磨いたあとです。
主な汚れは、スイッチ製造時に封入されたと
思われる油の酸化したものと、、、おそらくは、
タバコのヤニでしょう。

何で、どうやって磨いたかは企業秘密です (笑) 。


スケールと並べてみました。小さすぎてピンボケ。

組み立て前のFDD
 

前のページへ   1つ上のページへ

 (C) 2003 by おーうち