携帯電話の分解(3);ニコイチ作業


  SH505iですが、お客さんのところから「突然動かなくなって買い換えたんだけど、電話帳のデータとかがこれにしかなくて、抜きだすことができれば・・・」ということで、預かってきました。水没だと面倒なんですが、一部腐食していただけだったので、腐食した部分(といっても、結局本体の半分…)を交換して修理完了、です。部品取りに使ったものが色違いだったので、恐らく世に二つとないであろう混色ケータイ(笑)ができました。

 コネクタの部分のすぐ裏に水が入ったことを検出するためのインクをしみこませた紙のようなものが貼ってあるのですが、この部分が蒸気を吸ってふくらみ、湿気を持ち、その湿気で配線が腐食、ということだったようです。

注意:これはすごく運の良かった例です。いつでもこういう「ニコイチ」作業で修復できるというものではありませんので。。。


キーボードの裏側部分前景。

首部分で回路を接続しているフレキシブル基板と、それにつながるコネクタ部分。コネクタ下方に少し赤くなった部分が。。。

少し赤くなっているのは、水没検出用の紙の部分のインクが染みだしてきているためです。この紙がなければ、ここまでひどいことにならずに済む場合もあるのですが。。。

コネクタ部分をさらに拡大。フレキシブル基板(手前の茶色い部分)の端子は金メッキしてあるのですが、これが剥がれ、下の銅部分が露出、さらにそこに緑青が吹きだしています。調子が悪くなった後も電池を入れっぱなしにしていたため、電気分解も加わってひどく腐食が進んでしまった模様。

フレキシブル基板を光に透かしてみました。 赤丸の中の部分で配線が切れてます。

表側から。

オークションで入手した部品取りとなる白色の同形機と、 今回の故障機。

一部はんだ付けなどもありましたが、 完全に外して…

部品取りに使った機体のフレキシブル基板部分 。

これがなければ、湿気が常に加えられて異常に腐食が進むこともないのですが。。。
一応、これも交換。

出来上がり(左端)と、それ以外の部品。

こんな(別色のケースを組み合わせた)ケータイ、この世に二つとないぞ、たぶん。

電源ON、正常起動。
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