FromNicaragua / 雑感(5)

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Date: Wed, 06 May 1998 11:41:00 +0900

 === 使用人と失業率と === ===

  これもやはりステータスなのか、裕福な家庭には住み込みあるいは
通いの使用人がいることが常のようです。私達が下宿してる家庭にも
全て一人か二人の使用人がいます。

  私の下宿先では通いで毎日二人、あと週一度くらいアイロンかけの
女の子がやってくるようです。掃除とか洗い物とかが主な仕事ですけど
よく働きます。

  彼らにしてみればいろいろと不平不満もあるんでしょうけど、それを言えば
すぐに別の人に変えられてしまうだろうから、寡黙に働かざるをえないと
いうところでしょうか。とにかく、働きたい人はいるけど働き口が無い。
  先日のこちらの新聞に、ニカラグアから台北へ、1,000人規模で集団出稼ぎに
行くというような記事が載っていました。鉄道建設工事に携わるとか。

  ニカラグアの失業率は平均50%くらいだと聞きました。地域によっては
90%を超えるとか。主にカリブ海側の地域だと聞きましたが、そういう所では
麻薬類の密造・密売が横行しているようです。
  また、裕福層と貧困層の差が激しくて、貧困層の子供達はどうかすると
学校にも通えないという状況です。貧困家庭には水道もない、ガスもない。
おとーちゃんは日雇いか近所でバクチか、おかーちゃんは市場の方で売り子をしたり
使用人に行ったり。とにかく親が家にいないから、夕飯を食べるためには
近所の井戸からの水汲みとか薪拾いをしとかなきゃいけない。たいてい
そういう家庭には子供がたくさん居るから、弟や妹の面倒を見なきゃいけない。etc...

  勉強出来ない、学歴とコネが無けりゃ企業や官公庁に就職する事が出来ない、
上に昇る事も望めないということを十代で変に納得して大人になった人達が
現状の暮しで満足してしまって、やっぱりその子供が学校に行けない、行かない。
悪循環が染み付いている状況。
  もっとも、すべての人がそうなのではなく、たとえば学校に通わなかったにも
かかわらず一代で身を立てたという人もいるようですが。

  ……考えてみれば、程度の差こそあれ、どこの国でも同じ事は言えるかも
しれません。ただ、途上国では「上に昇る事ができる」ということを知らない、
上に昇る方法を教えてあげられる人が少ないだけなのかもしれません。

 === 水 === ===

  酒を飲んだ翌日の朝、喉が乾いたので水をくれというと冷蔵庫に入った
容器からコップに水を入れて渡してくれました。ミネラルウォーターかなと
思いながら、さして気にも止めずに安心して飲んでいたんですが……
その後、使用人の彼、残り少なくなった容器に表の流し台の水道で水を入れて
また冷蔵庫へ…… ということは、私が今まで飲んでたのは単なる水道の
水って事ですね? いや、こりゃマイッタね (^^; 。

  一応、医療関係を担当している職員から「生水、水道水は煮沸してから、
あるいはミネラルウォーターを買って飲むように」と言われていたので
注意して自分では水道水を直接飲まないようにしてたんですが、本人がいくら
気を使ってもしょーがないようです。

  もちろん、現在まで健康状態には何の問題も無し。当初から水道水を
そのまま飲まされていたフシがあるので、ここ SanMarcos では水に関して
極端に気を使う事はない、普通に水道の水を飲んでも大丈夫なようです。
もちろん、時期や天候によっては飲まない方が良い場合もあるでしょうけど。

   #    断水の多い時期、あるいは断水の直後の水とかは危ないかなと
   #   考えてます。今は安定して水道が使えているので、飲んでも
   #   当たらないだけの事かもしれません。

  国内には水道公社(inAAという略称になっている)のような所があって、
あちこちに浄水・貯水場を作ったり給水配管工事を行っているようです。
  先日見たinAAの巨大なタンクには、ニカラグアの国旗と共に日の丸が描かれて
いました。どうやら施設作りに日本の資金援助が入っているようで(*)、
とりあえず私が水道の水を飲んで下痢をせずに済んでいるのも、この資金援助の
おかげかもしれません。

    (*)  車の中からチラッと見ただけ。国旗の下に説明文も
        書いてあったんだけど、さすがに読み取れなかった。

 ちなみに、SanMarcos の水道水は、硬水に類するものになると思います。
石鹸の泡がたちにくいです。

 === 断水 === ===

 日曜の昼前、シャワーを浴びてたら、水が出なくなりました。
やられました (^^; 。

 === 隣のドクトル === ===

  下宿の部屋は一棟に3部屋が横並びで続いています。向かって右どなりの
部屋は空き部屋、その隣は食堂。左どなりの部屋には家族からドクトルと
呼ばれている人が住んでいます。

  今日、 Amada に聞いた所では、近所にある大学の教授だそうで、
国際政治関係の講座を持っている模様。その他にもいろいろ話して
もらったんだけど、、、聞き取れず (苦笑) 。先日チラッと覗いた部屋の中には
パソコンやら多くの本や書類が所狭しと積んでありました。

  ちなみに、 Semana Santa に続いてこの週末もまた SanMarcos はお祭り、
騒がしいのが嫌いなドクトルは、近隣の街へお出かけしてるそうです。
で、お祭り好きのおーうちは、何やら美人コンテストみたいなのがあると
いう情報を入手したので、カメラ小僧となる予定です (笑) 。

 ===

  というわけで行って来たんですが、実は「美馬コンテスト」でした (爆笑) 。
比較的裕福な人が血統のちゃんとした馬を買い、その馬を訓練所に通わせて
磨いた技を街中で披露するというお祭りみたいなもんで、そこいらじゅうに
トレーラー型の馬運車とかあったりしてなかなか面白かったです。
でも、、、道路は糞の山 (^^; 。

  もっとも、手綱をさばいてる女性に結構りりしい人がいたり、あちこちで
民族舞踊の披露とかがあったりしたので、撮影ネタには困りませんでしたが。


                                           おーうち

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