研修所日記(2)

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 ヘッダ部分にアドレスが大量に列記されて閉口している方も
いるかもしれませんが、ご容赦を……近日中に何とかしますので。

Thu Jan  8 1998

 例によって早朝から同室者を起こさないようにこそこそと行動開始。
懐中電灯を持ってきてよかった。前回のメールには書かなかったけど、
結構パソコンを持ってきている人が多くて、所内に1台しかないISDN
公衆電話の前には休憩時間になると並ぶ人が結構います。
 でもってその中には今回の派遣の前準備にってことで周囲に勧められて
パソコンを買ったけど、メールの送受信方法がわからない、ネットワークの
接続はどうやるの、なんて初心者もいたりして、唐突に電話機の前で
講習会が始まったり……(苦笑)。

 てなわけで、ちょっと他人と違った行動を取らないと、ここでも
効率良くは動けないようです。早朝アクセスは快適です。

 もう一つ通信ネタ。ここ駒ヶ根市にはPC-VAN(biglobe)、NIFTY共に
2400bpsのアクセスポイントしかありません。私のようなデカいメールを
送ったりするので高速なアクセスポイントへ接続したり、あるいは
ISP(インターネットサービスプロバイダ)へ接続してWebページを見たり
したい場合は松本市まで電話をかける必要があり、テレホンカードの消費量が
結構激しいです (^^; 。大体、2〜3日で500円のカードが終わっちまう。

 てなわけで、机の隅などに未使用のテレカがあったら差し入れ (笑)
歓迎します。住所は末尾に。


 さて、メールなど送り終わり、6:40から朝の集会。雪が上がって除雪も
出来ているので屋外にて。外気音、氷点下2度4分。ジャージの上に
防寒着という格好なんだけど、これでも結構寒い、特に手先がたまらない。
次回からは軍手が必須だなぁと痛感。
 集合、礼に始まり、国旗掲揚(日本のだけじゃなくて、世界各国の
ものを、その国や国旗に描かれた紋章の意味の紹介を交えて、その国の
国歌をテープで流しながら行います)、当直者からの伝達事項の連絡、
そしてラジオ体操をして、通常はここからランニングが始まるのですが、
周囲の交通事情なども考慮して今回の訓練からランニングはナシ、
その代わりに体力測定でグループ分けして、それぞれが適当な
運動種目を見つけてそれに挑戦するということになるようです。

   #    体力測定の実施は来週、グループ分けは再来週の予定。

 朝の集会が終わったら、部屋の片付けや簡単な掃除をして、7:30から食事。
味噌汁、肉じゃが、ご飯と「のりたま」(笑)。久しぶりにこのパックを
見たような気がする。

 午前中の講座、まず語学学習に関するオリエンテーションがあり、
その後、和光大学学長 平野栄一先生による講座。これが結構
面白くて役に立ちそうなので、ちょっと内容をご紹介。

  ・ 言葉の習得は「出来る・出来ない」じゃなくて、人により、
    目的により様々な習得のレベルがある。果てしない種類の
    形式や内容を覚え、Nativeのような喋りや理解を得ようとしても
    それは無理というもので、まず、習得の目標を見定める
    ことが大切。(通常は日常会話ができれば事足りるはず)
  ・ 言語は記号であり、記号には形式と内容がある
       ex.  信号機は青・進め、黄色・注意、赤・止まれ の3つだから
           すぐ覚えられるが、言葉はあいさつ一つ取っても多種多様。
  ・ 我々(青年海外協力隊)は通訳が出来るレベルの言語能力が
    必要なのではない。必要とされる能力の見極めが大切。
      #  「伝えたい」という気持ちがあれば、言葉も心も伝わる。
      # 決して焦って高いレベルの言語能力を身に付ける必要はない。
  ・ 速修のためには500の必須単語をきちんと(日本語との間で双方向に
    すぐに意味や単語が出てくるレベルまで)覚えることが肝要
       → 状況に合わせた挨拶の言葉(せいぜい20〜30程度)
       → 数字と、今現在自分が日常生活で一日に使っている言葉
          (「それを下さい」「いくらですか?」、曜日の言い方、etc..)
       → その他、雑誌や新聞の紙面などによく出てくる言葉
     これらをまとめて単語帳を作る。
  ・ 発音だけは、自分が発音出来なければ聞き取れない。繰り返して
    発音練習をするしかない。
  ・ 言語によって母音・子音に差異がある事に注意。たとえば……
       → 母音の"う"の音、日本語では一種類だが、他国語では数種類
         存在する場合がある
       → 子音の"r"と"l"、sa/za/ca/dza の違いなど
  ・ アクセントにも要注意
       -- 強弱アクセント → 英語
       -- 高低アクセント → 日本語
  ・ 文法で必要なのは現在形と過去形、そして協力隊隊員には命令形、
    そしてこれだけ押さえれば通常使われる文の70%以上は喋れるし
    理解出来る。
  ・ 代名詞は頻出するので要チェック。

 こういうところですかね。もっとも、これをすぐに体現出来る人は
それほどいないとは思うけれど。。。

 この講座は居眠りする人もなく、大変好評。

 昼食、麦ご飯、味噌汁、野菜の煮込み。

 午後一番で、言語ごとに部屋を違えてクラス分け。スペイン語では
あらかじめ提出していた事前学習のレポートに応じて、先生一人に
生徒が3〜4人という構成でクラス分け。結構贅沢な教育体制だと
思うけど、、、裏を返せば、それだけハードな講義が待ってるって
こと。まぁ、3ヶ月足らずで一通りしゃべれるようなレベルまで
持って行かなきゃいけないんだから、当たり前と言えば当たり前。

 私が入るクラスは生徒3名。講義は、先ずはアルファベットの
読み方から開始。発音記号を見たのも何年ふりだろうか、まぁとにかく
どうしても英語読みしてしまうので、頭を切り換えるのが大変。

 それでもとにかく何とか(クラス分けからあわせて)2時限を済ませ、
しっかり宿題ももらってしまった。入所前にもらってた事前学習用の
資料の穴埋め部分を全部埋めてくる事。量が多くて、結構大変 (-_-; 。

 本日の最後は「体育講座」。この研修中、あるいは現地に行ってから
運動不足になったりしないように、簡単なストレッチやゲームのような
体操を交えて、体の動かし方のコツを覚える、、、ってな感じかな?
ともかく、普段使ってないからだのあちこちを使う時間。
 で、この講座の先生が、驚くなかれ、以前、あのNHKの体操の時間に
出ていた「青山先生」だったんですな。テレビ体操の番組中や、
夏の朝のラジオ体操で聞いたあの声を肉声で聞く事が出来たってのは
ちょっとした驚き。
 体操は結構実践的なもので、およそ2時間弱の間でしっかりと汗をかいたし、
終わってみれば多少の筋肉痛。いかにこれまで体を動かす事を
サボッていたかがわかるというもの。

 でも、一畳ほどの場所があれば結構な運動が出来るということも事実。
もう少しいろいろな機会を見つけて、体を動かさなきゃいかんなぁと痛感。

 体育講座が終わり、外に出ると、、、雪。誰も踏んでない。
衝動に駆られて雪面に寝転がって大の字を書いて体を急速冷却。
もちろん、その後は風呂に直行です。

 夕食、汁モノと豚キムチ。体重が増加傾向にあるので、
ちょっとご飯少なめ。

 夜、生活班でのミーティング。結局「仮班長」から「仮」の字が
取れる事となってしまった。まぁ、それもいいか。

 ISDN公衆電話の前でパソコンともジュラケーブルとテレカを
もって待ち構える人多数。また、そういう人を捕まえて
いろいろと質問する人もチラホラ。電子メールを使って連絡を
取りたいという人が結構多いように感じられる。どうかすると、
自主講座みたいな形で何かやった方がいいのかもしれない。


                                           おーうち
p.s.  住所は以下の通り。

        399-41 長野県駒ヶ根市赤穂15 駒ヶ根青年海外協力隊訓練所
               平成9年度 第3次隊訓練候補生  大内基幸

       電話は、、、所内の電話は時間的制約が多い(取り次いで
      もらえる時間が限定されている)ので、できれば携帯電話の
      番号(030-184-0672)の方へかけて、留守電にメッセージを
      入れておいてもらえれば、と思います。

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(c)1998 おーうち